カップオブエクセレンス(COE)とは?
■コンテスト■
世界大会ではなく、各国ごとに行われるコーヒーの コンテストです。
審査員は世界各国から集められた審査員、統一されたフォーマットで審査が行われます。
厳正な審査の上、設定された評点以上のもの、かつ上位30位以内のものをその年のCOEの称号がもらえます。
(2023.11月現在大幅なルール変更の過渡期にあるため、変更の可能性が高い)
2023年のニカラグアで言えば一位はロスアルベス農園で審査員の付けたスコアは91.6点でした。 ただし、87点以上を取ったロットがこの年は16ロットに終わったため、30ロットも揃いませんでした。
同じく同年のコスタリカを見れば、一位はエル・セドロ農園でスコアは91.08点。30位はドン・エジディオ・ロドリゲスで87.29点。31位には87点以上スコア下農園もありましたが、ルール上30位で足切り。多くても30位までしかCOEの称号はもらえません。
各国の収穫期や生産事情に合わせて、開催されるため、ほぼ一年を通じていろんな国のコンテストが順番に行われていきます。
■オークション■
COEの結果が出ると、世界各国の買い付けの資格(オークション参加資格)のある商社や個人、団体に、サンプル豆が送付されます。
入札資格者同士は完全に平等です。数週間後にインターネットを介してオークションが行われます。
当店は直接オークションに参加する資格は有していませんが、代理店であるワタル株式会社さんを通じてオークションに参加しています。
ワタルに届いたサンプルを一緒にチェックして、代わりに入札をしてもらいます。
オークション形式ですので、評点=価格というわけではないのです。
その年のトレンドの品種だったり、精製方法だったりすると、下位のランクの豆でも上位より高額に落札されることもあります。
これまで開催されていなかった国で初めてオークションが開催されると、世界中のバイヤーが目新しいものに興味を示したりするので、カップクオリティ以上の値段が付くこともよくあります。
「コンテスト ⇒ オークションという構造」 - from seed to cup -
コンテストをした後に、世界各国のあらゆる人が自由にオークションに参加できるというカップオブエクセレンスの仕組みがスペシャルティコーヒーの業界に多大な好影響を与えています。
生産者は自分たちの作ったコーヒーの価値を世界中に知ってもらえる。団体でなく、個々の農家として評価や報酬をもらえ、脚光も浴びる。
そうなると、同じ農場で生産された他のコーヒーの需要も増加し、収益にもつながります。
オークションというシステム上、流通業者ではなく落札者が直接買い手になるため、直接的な取引により生産者経済的な利益をもたらします。生産者に利益がもたらされると、更にもっといいものを作ろうと技術や知識を深めるようになります。
オークション落札者、バイヤーは毎年いろんな農園がエントリーすることで、これまで知られていなかった新しいコーヒー、品種、農場、地域を発見しやすくなります。農家への金銭的報酬は実験へのインセンティブを生み出し、より優れた品質の素晴らしいコーヒーの持続的な供給を可能にします。
消費者は?といえば、コンテストで優勝したコーヒーや希少なコーヒーを楽しむ機会を得られます。栽培、気候、生産者、背景など一杯一杯のコーヒーにまつわるストーリーを感じることができます。こんな美味しいコーヒーがあったんだね!という発見を手にすることができるのです。
各年の、各国々のいくつもの農園のエントリーの上に、評価されて残ったTOP30位のコーヒーを当店のような小さな小さなコーヒー豆店でも、オークションというシステムのおかげで扱うことができています。むしろオークションロットは量が少なすぎて、私たちのような小さなロースターしか扱えなかったりするのです。
世界中で入札業者が増えたり、為替の影響で、ここ最近のCOEは値段がかなり高騰してます。 地球の裏側でその年、その国で収穫されたコーヒーのTOP30位以内のコーヒー。
高い=美味しいとは限らないですが、開業して10年、蒼はこのCOEをずっと扱ってきています。値段的にも早々売れるものでもないのですが、販売し続けています。
お客様には品質だけでなく、背景も含めて味わってほしい。
そのためにスペシャルティコーヒーを扱うものとして、COEを提供し続けていくという使命すら感じています。