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【SELECTED AT ORIGIN BY SOH】
COSTA RICA TARRAZU MONTE COPEY KIZUNA CATUAI WHITE HONEY
コスタリカ タラス モンテコペイ キズナ農園 カツアイ ホワイトハニー
~遠く澄んだ甘み~
ホワイトピーチやシトラスを思わせる透明感のある果実味と、
ホワイトハニー精製由来の穏やかなはちみつの甘みが調和。
冷めるにつれてカモミールのような上品な香りが広がり、
シルキーで心地よい余韻が長く続きます。
FLAVOR
WHITEPEACH,LIME,BRIGHTACIDITY,SILKY,JUICY
焙煎度:中浅煎り
ROASTLEVEL(焙煎度)★★
FALAVOR(個性)★★★
BODY(コク)★★
SWEETNESS(甘さ)★★★★
AROMA(香り)★★★
ACIDITY(酸質)★★★★
AFTERTASTE(余韻)★★★
「SELECTED AT ORIGIN(蒼じるし)」は、
倉橋が実際に中米などのコーヒー生産地を訪れ農園主との対話やカッピングを通じて
**“その場で選んできたロット”**だけに付けられる特別シリーズです。
■地名、ミル
TARRAZ MONTE COPEY
■農園、農協名
KIZUNA
■品種
CATUAI
■精製方法
WHITE HONEY
■農園主
Enrique Navarro Granados
■標高
1950m
■産地、農園について
コスタリカを代表する名産地、タラス地方の奥深くに広がるドタ渓谷(DotaValley)。標高1,800mを超える急峻な山肌と、手つかずの豊かな自然に抱かれたこの地で、半世紀以上にわたりコーヒー栽培の歴史を紡いできたのが、ナバロ・ファミリーが運営する「モンテコペイ(Monte Copey)」です。
かつてこの地域で初めてティピカ種を植え、コーヒー栽培の可能性を切り拓いたという誇り高き歴史を持つ彼らの農園は、現在4代目となる若きリーダー、エンリケ・ナバロ・ジュニア氏によって新たな進化の時代を迎えています。彼らの名前が一躍世界に轟いたのは2014年のことでした。コスタリカのカップ・オブ・エクセレンス(COE)品評会において見事1位の栄冠に輝き、さらに同年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)で優勝した日本代表バリスタが彼らの豆を使用したことで、世界トップクラスのマイクロミルとしての地位を確固たるものにしました。
「キズナ(KIZUNA)」は、彼らが所有する農園の中でも特別な区画から生み出されたロットです。標高1,800m超という過酷な環境は、昼夜の寒暖差が非常に激しく、コーヒーの実にゆっくりと時間をかけて糖分を蓄えさせます。エンリケ氏はこれを「豆が筋肉のように収縮と膨張を繰り返し、不要な風味を汗のように排出することで、甘さが凝縮する」と表現しています。農園では化学肥料への依存を減らし、環境に配慮したサステナブルな農業を徹底。シェードツリー(日陰樹)を適切に配置し、野生動物と共存する豊かな生態系を維持しながら、極めて密度の高いコーヒーを育んでいます。
弊社代表倉橋が現地を訪れた際、この農園を包み込んでいたのは、澄み渡る冷涼な空気と、深い静寂でした。岩肌を流れる清らかな小川、風に揺れる木々の音。過度な演出のない、どこか神聖さすら感じる清らかなロケーションに、地形に沿うように建てられた清潔なマイクロミルが存在していました。その土地の持つ空気感が、そのままカップの透明感として表現されているかのような、非常に美しく気品のあるコーヒーを生み出す類まれなる農園です。彼らの情熱と、コスタリカの美しい自然の風景を、ぜひカップの中から感じ取ってください。
■豆についての詳細
本ロットは、中米のコーヒーの歴史を長く支え続けてきた名品種「カツアイ(Catuai)」を、コスタリカならではの高度な精製技術「ホワイトハニー(White Honey)」プロセスで仕上げた特別な一杯です。
カツアイ種は、1940年代にブラジルで開発された交配品種です。樹丈が低くコンパクトな「カツーラ」と、収穫量が多く生命力の強い「ムンドノーボ」という2つの品種の長所を掛け合わせて生まれました。強風や雨でも実が落ちにくく、多くの農家を助けてきた頼もしい品種ですが、近年は気候変動や病害の影響で栽培の難易度が上がっています。それでもモンテコペイがこの品種を大切に育てているのは、カツアイ種が持つ「丸みのあるふくよかなボディ」と「ミルクチョコレートのような豊かな甘み」のバランスが、他には代えがたい魅力を持っているからです。標高1,800m以上の厳しい環境下で、緻密な土壌管理のもと大切に育てられたカツアイからは、白桃を思わせるみずみずしい果実感と、心地よい甘みが存分に引き出されます。
そして、その風味を究極にクリーンな状態で届けてくれるのが「ホワイトハニー」という精製方法です。収穫した完熟の赤いコーヒーチェリーの果肉を剥いた後、種の周りについているミューシレージ(粘液質)を、特殊な機械で約80〜90%ほど取り除き、ごくわずかに残した状態で天日乾燥させます。ミューシレージを多く残すレッドハニーやブラックハニーが濃厚な果実感や発酵感をもたらすのに対し、ホワイトハニーは発酵の度合いを最小限に抑えるため、水洗式(ウォッシュド)のようにスッキリと透き通った味わいになります。しかし、わずかに残った糖分が乾燥中に豆にゆっくりと染み込むことで、ウォッシュドにはない「角の取れた丸くシルキーな口当たり」と「はちみつのような穏やかな甘み」をコーヒーに纏わせるのです。
■生産国について
中央アメリカの南部に位置するコスタリカ共和国は、国土の多くが手つかずの熱帯雨林や火山性山脈で覆われた、豊かな自然と多様な生態系に恵まれた美しい国です。「軍隊を持たない国」としても知られ、国家予算を教育と環境保護に注ぎ込むという独自の哲学を持つこの国は、コーヒー生産においても「量より質」を徹底し、持続可能で高品質なスペシャルティコーヒーを世界に発信し続けています。
コスタリカのコーヒー産業を語る上で絶対に欠かせないのが、2000年代初頭から国中で巻き起こった「マイクロミル革命」です。それまで、多くの小規模農家は収穫したコーヒーチェリーを大規模な農協や加工場に安価で持ち込むしかなく、自分たちの育てたコーヒーが最終的にどんな味になるのかを知る由もありませんでした。しかし、農家自らが小さな精製設備(マイクロミル)を導入することで、自分たちの農園の区画ごと、品種ごとに独自の加工を行い、個性を最大限に引き出したコーヒーを直接世界へ販売できるようになったのです。これにより、農家は単なる「栽培者」から、風味を自在にデザインする「職人(クリエイター)」へと劇的な進化を遂げました。
さらに、こうした生産者たちの情熱を支え、世界中のロースターへと繋ぐワタル株式会社のような「エクスポーター(輸出業者)」やコンサルタントたちの存在も、コスタリカの品質向上を強力に後押ししています。彼らは、生産者と共にカッピング(テイスティング)を行い、「この土地のこの品種なら、どの精製方法が最もポテンシャルを発揮できるか」を科学的かつ官能的なアプローチでアドバイスします。磨けば光る原石を持った農家を見つけ出し、彼らがスペシャルティコーヒー市場で正当な評価を得て自立できるよう支援する。そうした協力体制(エコシステム)が国全体に根付いているからこそ、コスタリカからは毎年驚くような素晴らしいコーヒーが生まれ続けているのです。
モンテコペイが位置するタラス地方は、そんなコスタリカの中でも最高峰の品質を誇る名産地です。標高が高く冷涼な気候と、ミネラル豊富な火山性土壌。そして何より、コーヒーに人生を賭け、現状に満足することなく常に高みを目指す生産者たちの尽きることのない探求心。大自然の恵みと、人々の知恵と努力が美しいグラデーションとなって結集したコスタリカのコーヒーは、飲むたびにその土地の風景と、陽気で温かな人々の合言葉「プラ・ヴィーダ(純粋な人生、最高!)」の精神を私たちに伝えてくれます。
■訪問産地の場合の特別なエピソード
2025年3月、当店の仕入れ先であるワタル株式会社の同行者および現地駐在員とともに、買い付けツアーとしてコスタリカを訪問しました。
険しい山道を車で進み、タラス地方・ドタ渓谷の頂に近い場所にある「モンテコペイ」のマイクロミルへ。
急斜面を登り切った先に広がっていたのは、思わず息を呑むような大自然の絶景と、深い静寂でした。
標高1,800mを超える高地の空気は冷たく澄み渡り、岩肌を滑り落ちる清流のせせらぎと、木々の間を吹き抜ける風の音が聞こえてきます。
農園全体は、何かを過剰に飾り立てているわけではありません。ただそこにある自然と完全に調和していて、どこか「気品」や「神聖さ」すら感じるほど清らかな場所でした。
急な山肌に建てられた施設は清潔に保たれており、その佇まいからも、彼らの仕事の丁寧さが静かに伝わってきました。
そこで私たちを出迎えてくれたのが、農園の若き主、エンリケ・ナバロ・ジュニア氏です。
彼は10代の頃から農園の管理を任され、コーヒーづくりに没頭してきた情熱家。コスタリカの若手生産者の中でもひときわ目立つ存在ですが、現場で接した彼は、とても誠実な人でした。
近年、COEなどの国際品評会では、ゲイシャ種をはじめとする外来品種や交配品種が上位を席巻する傾向にあります。
しかしエンリケ氏は訪問時、こう熱く語っていました。「コスタリカの土壌に根ざした、ティピカやカツーラといったクラシカルな伝統品種で、もう一度COEの舞台に挑戦したい」
そのために、化学肥料に頼らない土壌づくりなども積み重ねているとのことでした。
そしてその言葉どおり、2025年7月のCOEにおいて、彼は伝統的な「ティピカ種」を見事に磨き上げ、4位入賞を果たすという歴史的な快挙を成し遂げました。
まさに有言実行。私たちは、その物語の始まりに少しだけ立ち会っていたのかもしれません。
さらにこの訪問時、特別に「ダークルーム」と呼ばれる秘密の部屋を見せていただきました。
そこでは、温度が厳密に管理された環境下で、コーヒー豆が極めてゆっくりと発酵、いわゆるスローファーメンテーションを進めていました。
それによって、圧倒的にクリーンでエレガント、かつ複雑な風味が生まれるのだといいます。
その半年後、2025年秋。
モンテコペイが世界に向けて開催したプライベートオークションのラインナップに並んでいたのは、まさに私たちがあのダークルームで目にした、特別に丁寧に処理された逸品たちでした。
同じ9月、私たちは日本・大阪でエンリケ氏と再会します。遠く離れたコスタリカの山奥で出会った生産者と、日本で再び顔を合わせ、そのオークションロットをともにカッピングする。それは、貴重な体験でした。
初めての海外買い付けで訪れた、コスタリカの山奥。
そこで情熱を燃やす生産者と出会い、日本でその魅力を伝える私たち。
「KIZUNA」と名付けられたこの特別なロットには、生産者と私たち、そしてこのコーヒーを飲んでくださるお客様とを結ぶ、目には見えない強い繋がりが込められています。
彼らの飽くなき情熱と、一杯のカップに凝縮された物語。
その一端を、ぜひ味わっていただけたら嬉しく思います。
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