2025/12/02 18:47
街にイルミネーションが増えはじめて、スーパーにはチキンとケーキが並び出して、
なんとなく「ああ、今年もこの季節が来たな」と感じる頃。
クリスマスを心待ちにしている人もいれば、
賑やかなで華やかなこの季節が苦手な人もいたり、
特に何もないけれど、気づいたら24日・25日になっていた、なんて人もいるかもしれません。
今年のクリスマスブレンドは、
そんな “いろんなクリスマス” にそっと寄り添える一杯になればいいな、と思いながらつくりました。
キラキラした夜にも。
静かな夜にも。
ちょっと切ない夜にも。
どんなクリスマスにも似合う、
様々な方に向けたコーヒーです。
今年の合言葉は「Merry cups, with hope.」
パッケージには
Merry cups, with hope.
という短いフレーズが添えてあります。
直訳すると
「メリーな一杯に、少しの希望を。」
ちょっとだけよくわからない言葉かもしれませんが、
今年のクリスマスブレンドのテーマを一番素直に表してくれている言葉を吟味して選びました。
・この一杯を飲んだら、なんだか気持ちが軽くなる
・みんなで飲んだら、ちょっと楽しくなっちゃう
・ひとりで飲んでも、「ま、こんなクリスマスも悪くないか」と思える
そして
「来年はなんかもっといいことあるかもな」という未来にほんの少し期待を込めて。
そんな “ほんの少しの希望” を、カップの中にしのばせたくて、
このフレーズを選びました。
クリスマスを全力で楽しみたい人も。
クリスマスなんて別に…という人も。
なんとなくそわそわしてしまう人も。
どんな気持ちで迎えるクリスマスでも、
この一杯が「今の自分のままでいいか」と思えるきっかけになったら嬉しいです。
深煎りだけど「甘さ」が主役のクリスマスブレンド
今年のクリスマスブレンド2025は、
深煎りならではの“飲んだ感”と、甘みや複雑さをしっかり感じられるように設計しました。
ブレンドの中身はこの3つです。
COSTA RICA TARRAZÚ LA CANDELILLA
CATURRA / HONEY / FULLCITY ROAST(50%)
BURUNDI KAYANZA BUZIRA CWS
BOURBON / ANAEROBIC NATURAL / FULLCITY ROAST(30%)
BRAZIL CARMO DE MINAS KAQUEND
YELLOW BOURBON / NATURAL / FULLCITY ROAST(20%)
火入れはすべて、2ハゼの入口あたりのフルシティロースト。
深煎りのラインですが、「焦げ」ではなく「甘さ」と「コク」をきちんと残したところで止めています。
コスタリカ・カンデリージャ(50%)
タラスのカンデリージャらしい、ハニー製法のやさしい甘さ。
キャラメルや黒糖のような厚みのある甘みが、このブレンドの土台です。
まず最初の一口目で
「あ、ほっとするな」と感じてもらえるような部分を、
この豆がしっかり支えてくれています。
ブルンジ・ブジラ(30%)
ブルンジは「赤い果実」の担当。
チェリーやドライフルーツのような、
少し色っぽい甘酸っぱさが、後味にそっと顔を出します。
ここでひとつ、意識したのが「シュトーレン感」です。
シュトーレンって、
焼きたてよりも、日が経つごとに味がなじんでおいしくなっていきますよね。
このブルンジも、焙煎から数日〜1週間と時間が経つにつれて、
角が取れて、果実感がじわじわと深みを増していきます。
クリスマスに向けて、
少しずつ味わいが熟れていくイメージで選びました。
ブラジル・カケンジ(20%)
最後に、ブラジル・カケンジ。
ローストナッツやカカオ、ミルクチョコレートのようなやさしい風味を持っています。
この豆が、
・カンデリージャの甘さ
・ブルンジの赤い果実感
の間にふわっとクッションを敷いてくれることで、
「甘さ」「コク」「ほろ苦さ」が
一つの景色としてまとまるように、
全体をやわらかく整えてくれます。

どんなクリスマスにも似合う味わい
味のイメージを一言でいうと、
甘みとやわらかなコクが重なる、
ぽかぽかと心を温めるクリスマスブレンド。
キャラメルのような厚みのある甘さ。
赤い果実を感じるやわらかなビター。
そこに、チョコレートやローストナッツのような風味がやさしく重なります。
・ガトーショコラやチョコレートケーキ
・シュトーレン
・肉料理のあと
・チーズやナッツ、おつまみ系のプレート
こういった冬の食卓と、とても相性が良いブレンドです。
にぎやかなパーティーのテーブルでも、
家でこじんまりとケーキを分け合う時間でも、
一日の終わりにひとりでゆっくり飲むマグカップでも。
シーンを選ばず「ちょっと特別で、ちょっと嬉しい」時間に変えてくれる、
そんなポジションをねらっています。

ひとりのクリスマスにも、みんなのクリスマスにも
クリスマスというと、
どうしても「みんなで楽しく」のイメージが前に出がちですが、
実際にはそうじゃない夜もたくさんあります。
仕事でいつも通り帰りが遅くなる人。
たまたまひとりで過ごすことになった人。
世の中のテンションと、自分のテンションの差に、
なんとなく居心地の悪さを感じる人。
そんな夜にも、
このクリスマスブレンドはちゃんと居場所があります。
お湯を沸かして、ゆっくりとドリップして、
立ちのぼる香りを吸い込みながら、
最初の一口を飲む。
そのときに
「まあ、こんなクリスマスも悪くないか」
「今年もいろいろあったけど、なんとかここまで来たな」
と、少しだけ心がほどけるきっかけになれたらいいなと思っています。
“Merry cups, with hope.”
この一杯が、
・笑い声のある賑やかな夜にも
・静かでやさしいひとりの夜にも
同じようにそっと寄り添えますように、という
ささやかな願いを込めて。
クリスマス当日にいちばんおいしく
今回のブレンドは、
「クリスマス当日にピークが来る」ことも意識して焙煎しています。
ブルンジの果実感が、
少し時間をおくことで角が取れ、
カンデリージャの甘さとブラジルの丸みと溶け合っていく。
シュトーレンのように、
日が経つごとに味がなじみ、深みが増していくイメージです。
・クリスマス前の週末に豆を購入して
・数日〜1週間ほどおいてから
・24〜25日にゆっくり開ける
そんな楽しみ方も、ぜひ試してみてください。

最後に
今年のクリスマスブレンド2025は、
「やさしい冬のほどける甘み」をテーマにした、
深煎りの甘いブレンドです。
楽しいクリスマスが好きな人にも。
ちょっとクリスマスが苦手な人にも。
ただ今年一年、がんばってきた自分を
そっとねぎらいたい人にも。
この一杯が、
あなたの冬に、
すこしだけやさしい灯りを足せますように。
Merry cups, with hope.
クリスマスブレンド2025、どうぞお楽しみください。

